2010年3月21日(日)
真吾オジサンの雑感
「声明」について
皆さまは、この「声明(しょうみょう)」を御存知ですか?
春秋社が、天納傳中さんのいう方の「声明 天台声明と五台山念仏へのいざない」というCDブックを販売致しておられます。
その序を、瀬戸内寂聴さんが書いておられます。
その序から、引用いたします。
「 声明に魅せられて
瀬戸内寂聴
日本のあらゆる音楽の原点に『声明』が位置することは、ようやく人々に知られてきた。
声明とは仏教音楽で、キリスト教に讃美歌があり、聖歌隊がいるように、仏教にも仏を賛美してお経に節をつけて歌い、その専門の僧侶がいたのである。
もちろん、仏教はインドで起こったので、インドに声明が生まれ、それが中国に伝わり、中国から日本に伝わってきた。
子守歌も演歌も、浪曲も、能の謡も、長唄や清元なども、すべて声明から生まれたと言えば人々は驚くであろう。
この声明も各宗派によって、それぞれ特徴があるが、天台宗で用いられる天台声明が、もっとも代表的なものとして、今では外国にもよく知られている。
(中略)
元来、祈りというものは、心からの声を発して、神仏という宇宙の大いなる生命に向かって、力弱い人間が呼びかけるものである。
感動のあまり、その祈りに節がつき、歌になっていったのが音楽の原点ではないだろうか。
ジャズも、グレゴリオ聖歌も、声明も、人間の切なる祈りの心の叫び声である。
日本での声明の発祥地は三千院のある大原魚山である。
(略) 」
どうです、面白そうでしょう?
是非、一度、このCDブックに目を通されるといいと思いますよ。