2010年3月9日(火)
真吾オジサンの雑感
再び、「中村うさぎ」さんについて
今日も、文春文庫の「ババア・ウォーズ 新たなる美貌」より引用します。
「女王様は、自意識過剰という病に罹った女である。
他者の視線に怯えながらも他者の視線を求め、常に脳内に「他者から見た自分」を映す鏡を設置して
己のビジュアルからキャラクターまで隈なくチェックしなくては一歩も外に出られない。
ある時は「脳内鏡」に映る己の姿に惚れ惚れし、きっと他者からも羨望の視線で見られているに違いないと得意満面で闊歩するかと思えば、
また別の日には「脳内鏡」に映る己の醜い姿に蝦蟇の脂のごとき冷や汗をたらたらと流して、自己嫌悪地獄にのたうちまわる苦悶の時を過ごす。
(中略)
女王様が恐れるのは、際限のない着飾り地獄の苦しみなどではなく、
己の脳内鏡に映った自分の姿と他者の目に映っている自分との姿との間に齟齬が生じているのではないか、という不安である。
つまり、自分の脳内鏡が、どこまで正確に他者の目として機能しているか、という問題。
(中略)
女たちが揃って罹患しているこの自意識過剰の病に、最近の若い男たちも参入してきた。
彼らが我々の轍を踏むのか、あるいは新たな自意識世界を展開させるのか、その行く末が女王様は楽しみだ」
寅さんの「男はつらいよ」より辛そうですね。
「女はもっとつらいよ」といったところでしょうか。
真吾オジサンなどは、もっと、それぞれの方がマイペースであってもいいと思うのですが・・・