2010年4月18日(日)
真吾オジサンの雑感
「霊操」について。
今日は、岩波文庫のイグナチオ・デ・ロヨラ著(門脇佳吉訳・解説)の「霊操」を、ご紹介いたします。
イグナチオ・デ・ロヨラは、フランシスコ・ザビエルらとイエズス会を創設され、初代の総長になられた方です。
イグナチオは、16歳の時に、騎士の教育を受けるために、宮廷で小姓として王に仕えたそうです。
彼は騎士として高貴な女性に憧れ、陰ながら、この貴婦人に仕えることを夢見ていたそうです。
その後、イグナチオはナバラ王に仕えました。
1521年、フランス王フランソワ一世は一万二千の軍勢をひきいてナバラの首都パンプローナを攻め、町は軍門に下りましたが、
パンプローナ城だけは、イグナチオが僅かの兵士とともに降伏をせずに、フランス軍と戦ったそうです。
しかし、イグナチオは砲弾に倒れ、重傷を負い、城は陥落しました。
フランス軍はイグナチオのあまりの勇敢さに敬意を表し、彼の傷に応急措置を施し、彼をロヨラ城まで送り返したそうです。
凄い武勇伝をお持ちのイグナチオですが、この重傷を負ったことが回心の契機となりました。
この「霊操」の最終目的は、イグナイオが恵まれた神秘体験に霊操者を導くことだそうです。
それは、霊操者が自分に対する特別な神の御意志を探し、見出すことなのだそうです。
ただ、この神の御意志は、人間の理性では見出し得ないそうで、神の御意志を見出すことは、慈しみ深い神が人間に与える神秘体験なのだそうです。
このような高い恵みを受けるためには、魂を準備し、整える必要があり、霊操の具体的実践方法が生まれたそうです。
真吾オジサンには、なかなか興味深い一冊でした。
聖書を一読された方には、面白い一冊かもしれませんね。