2010年6月19日(土)
真吾オジサンの雑感
「有吉道夫九段」について。
先日のNHK杯戦で、高橋道雄八段に敗れて、引退されました。
74歳での、NHK杯戦出場は、初めての記録だそうです。
大山康晴名人門下の大棋士でした。
歳を重ねられても、研究室で、若手を相手に研究に没頭されていらっしゃったそうです。
多くの言葉をあれこれ語るより、この将棋に対する真摯な姿勢は、後進の有能な方々に多くのものを残されたに違いありません。
真吾オジサンは、この「真吾オジサンの雑感」で、「老害」についてあれこれ書いてきました。
今後も、書くでしょう。
しかし、真吾オジサンは、決して、高齢者を馬鹿にしたり、見下したりすることは、本来、好んではいないのです。
意外に思われる方もいらっしゃると思いますが、真吾オジサンは、基本的には、年配の方々を尊敬してはいるのです。
余りにも、どうしようもないとしか言えない高齢者が多過ぎることを残念に思っているのです。
この「有吉道夫九段」の最後のNHK杯戦を拝見していた真吾オジサンは、「こういう高齢者の方が、一人でも増えてほしいなぁ」と思いました。
将棋の才能は、まず、この年齢で「有吉九段」に及ぶ方は、世界中を探し回っても、どこにもいらっしゃらないでしょうが、
ものごとに向かう姿勢を、多くの年配の方々に見て貰いたかったです。
この対局では、流石に、手は震えておられましたが、非常に精悍な表情で対局をされておられました。
立派でした。
この対局は、A級というプロ棋士のトップ10(名人を含めるとトップ11)の中の、2位の「高橋道雄九段」を相手に、指し易い局面もあった対局でした。
「火の球流」の攻めを、この対局では、残念ながら拝見することはできませんでしたが、これは「高橋道雄九段」の指し回しが見事に尽きたということでしょう。
将棋と言う白黒のはっきりする世界で、長年に渡り、戦い続けてこられた大棋士だけに、表情は、実に素晴らしい。
最近の高齢者の方で、このような表情をされる方は、滅多にいらっしゃらないように思います。
本物の男性です。
このようにありたいものです。