2010年8月27日(金)
真吾オジサンの雑感
「武田信玄」について。
まずは、「頼山陽」の「不識庵機山を撃つの図に題す」の詩を。
「鞭声(べんせい)粛々(しゅくしゅく)夜河を渡る
暁に見る千兵の大牙(たいが)を擁するを
遺恨なり十年一剣を磨き
流星光底(こうてい)に長蛇を逸す」
「不識庵(ふしきあん)」は「上杉謙信」、「機山(きざん)」は「武田信玄」の事です。
「長蛇」は、「武田信玄」を指しております。
幕末の勤皇の志士に愛唱されていた詩だそうです。
「武田信玄」には、面白いエピソードがあります。
なんと、生涯、刀を抜かないと誓っていたというのです。
「武田信玄」の禅と政治の師であった惠林寺の「快川招喜(かいせんじょうき)和尚」にこう教えられたそうです。
(この「快川和尚」は、織田信長に焼き討ちにあった時に「心頭を滅却すれば火もまた涼し」といった禅僧です。)
「一軍の将たる者、自らの刀に頼るようでは、その器がたかが知れている。 天下を指揮しようとする心構えがあるのなら、もはや刀のことなど考えるな。」と。
もしかしたら、川中島の合戦の一騎打ちのシーンは、これが原因だったのかもしれませんね。 ^^
この「武田信玄」の並の武将とは異なるところは、「軍事」に長けていたばかりではなく、大変な芸術家でもあったところです。
「武田信玄」の和歌をここで紹介しましょう。
さ夜ごろもなれにし人の面影をうつしてとめよ庭の雨つゆ
朝あけの霞の間より見わたせばそこはかとなき遠近の山
また、「武田信玄」といえば、
「人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり」を思い出される方もいらっしゃるでしょうね。
いまでも、企業で使えそうな考えだと思います。
「武田信玄」は、とても魅力的な武将です。