2011年10月19日(水)
真吾オジサンの雑感
六種の気
大東出版社に「現代語訳 天台小止観 関口真大訳」という本があります。
この「天台小止観」は、座禅の作法と用心を説いているのだそうです。
この天台小止観の「修止観法門 治病患第九」の中に、この「六種の気」のことが出ております。
この坐禅の世界では、この坐禅で病も治せると考えているようです。
現代語訳のところを引用させて頂きますと、
第九章 病患を治せ
われわれが心をきめて仏道を修習するとき、あるいはもとから四大に病気があったとすれば、
いま心を用いることに因って心息を刺戟して本来の病気を発動させることがある。
あるときは身・息・心の三事をよく調適させることができず、内にも外にも違犯するところがあるので、
そこに病気が発することもあるであろう。
坐禅というものは、もし善く用心深くやっていれば、四百四病は自然に除かれ癒えるものである。
その反対にもし要人が適切でないと、かえっていろいろな病気が動いて来る。
だから自分の修行にも、人を導くためにも、よく病気の源を識り、
坐禅のなかで病気を治す方法も知っておくがよい。
(略)
こういうことになっているそうです。
で、六種の気についても書いてありますので、これも現代語訳の方を引用しましょうね。
つぎに、観(かん)をもって病を治す方法を説明しよう。
ある師は、心を観察し、六種の呼吸法を用いて病を治せといっている。
これはすなわち観がよく病を治すのである。
六種の気とはなにか。
一に吹(すい)、二に呼(こ)、三に嘻(き)、四に呵(か)、五に噓(こ)、六に呬(し)とよばれる呼吸の仕方である。
この六種ともみな唇のなか口のなかで心をはたらかせて、その呼吸の仕方を工夫するのである。
もし坐禅をしていて、寒い時にはまさに吹といわれる呼吸の仕事をし、
熱い時には呼といわれる呼吸の仕方がよいといわれる。
もし病を治すには、吹は寒さを去り、呼は熱を去り、嘻は痛さを去り、また風を治し、呵は煩を去り、また気を下し、嘘は痰を散じ、また満を治し、呬は労を補う。
もし五臓を治すためには、呼と吹の二種の呼吸は心臓を治し、嘘は肝臓を治し、呵は肺臓を治し、嘻は脾臓を治し、呬は腎臓をためによいといわれる。
と、こういうことになっているそうです。
仏教では四大・五大・六大とか言いますが、宗派によって異なりますよね。
真吾オジサンは坐禅にも詳しくないので、あれこれいってはならないようにも思うのですが、
この坐禅の世界では四大ということになっているのかもしれませんね。
こういうものの見方なので、治病の方法も、そういうものの見方の方法でそうなっているということだろうと思います。