2011年10月30日(日)

 

 

 

 

真吾オジサンの雑感

 

 

 

陶淵明について。

 

 

 


 

 

己酉歳九月九日

 

 

靡靡秋巳夕      びびとして あきすでにくれ

凄凄風露交      せいせいとして ふうろまじわる

蔓草不復栄      まんそう またさかえず

園木空自凋      えんぼく むなしくみずからしぼむ

清気澄餘滓      せいき よしをすまし

杳然天界高      ようぜんとして てんかいたかし

哀蝉無留響      あいぜん ひびきをとどむるなく

叢雁鳴雲霄      そうがん うんしょうになく

万化相尋異      ばんか あいついでことなり

人生豈不労      じんせい あにろうせざらんや

従古皆有没      いにしえより みなぼっするあり

念之中心焦      これをおもえばちゅうしんこがる

何以称我情      なにをもってか わがじょうにかなえん

獨酒且自陶      だくしゅ しばらくみずからたのしまん

千載非所知      せんざいは しるところにあらず

聊以永今朝      いささかもってこんちょうをながくせん

 

 

 

 

 

己酉の歳の九月九日

 

 

ゆっくりと秋もすでに終ろうとし、

 

寒々と冷たい風が吹き、露は置く。

 

はびこった草ももう盛んに茂ることもなく、

 

庭の木もむなしくひとりで枯れてゆく。

 

清らかな大気によって空気中の塵も払われて澄み、

 

大空ははるかに高い。

 

哀しげなる秋の蝉はもう鳴き声をとどめず、

 

群れ飛ぶ雁は大空に鳴く。

 

万物は変化して次々に変わってゆく、

 

人生というものはどうして苦労なしでいられようか。

 

昔から人はみな死ぬものと決まっている、

 

そのことを思うと胸の中は熱く焦げるようだ。

 

何によって自分の気持ちを満足させよう、

 

にごり酒を飲んでひとまずみずから楽しもう。

 

千年先のことなどわかるものではない、

 

まずは今日をゆったりと過ごそう。

 

 

 


 

 

 

角川ソフィア文庫の「陶淵明」に出ていた作品です。

 

 

なかなかいいですよね、この作品。 ^^

 

 

 

 

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