2011年2月4日(金)
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真吾オジサンの雑感
「アリストテレスの経験的世界の説明原理」について。
真吾オジサンは、講談社学術文庫の「古代ギリシアの思想」(山川偉也著)という本を持っております。
この本はいい本だと思います。
この本の346ページにアリストテレスの【科学的説明原理】というのが書かれてあります。
今日も、引用させて頂きましょうね。 ^^
アリストテレスは経験的世界を探求することに大きな関心を払ったが、その説明原理として、
(α)「形相−質料」概念
(β)「現実態−可能態」概念
(γ)四原因説が使用された。
これらについてごく簡単に説明する。
(α) 形相−質料
形相(エイドス)がプラトンのイデア論の遺産であることはすでに見た。
ただし、アリストテレスの形相は、ただ一つの例外を除いて「内在形相」であり、つねに質料との対比において語られる。
質料(ヒューレ−)もプラトンからの継承物であるかどうかについては意見が分かれる。
それは元来の意味において「木材」であり「素材」である。
これは要するに、形相が実現されるための諸条件の総計である。
アリストテレスが形相と質料について語るときには、ふつう、
(@) AはBの形相である=BはAの質量である
ということが念頭に置かれている。
しかし、アリストテレスは「純粋形相」および「第一質料」について語ることがある。
その場合の「純粋形相」および「第一質料」は、それぞれ、
(A) Aは純粋形相である=Aは形相である、そして、Aは質料でない
Aは第一質量である=Aは質料である、そして、Aは形相でない。
ということを意味している。
世界の存在者全体を、形相と質料の二つの原理によって層構造をもつものとして構成しようとするならば、
最上端と最下端には純粋形相と第一質料がどうしてもこなければならないわけである。
第一質量は、何ものの形相でもありえないものとして、四元素【火】・【気】・【水】・【地】が形相となる基礎である。
四元素は、対立しあう元質〔乾〕/〔湿〕/〔冷〕/〔温〕によってその活動を支えられている。
元素の相互転化は元質相互の移行転化によって起こる。
そして四元素は、自然的世界の一切の事物の質料となる。
たとえば青銅は青銅の像の質料であり、人間の身体はその霊魂の質量であり、定義における最近類は種差にとっての質量である。
このようにして上の方へと遡っていくと、最後にはいかなるものの質料ともなりえない純粋形相に達することになる。
それが神である。
(略)
繰り返しになりますが、この本はいい本だと思います。
西洋の文化の理解の助けになる本だとも思います。
ぜひ、買って読んでくださいね。 ^^