2011年2月22日(火)
干支:つちのえ さる 九星:九紫 行事:旧二十日正月 六輝:友引 ちゅうだん:やぶる 廿八宿:翼
真吾オジサンの雑感
「四元素説」について。
岩波書店の「岩波 哲学・思想事典」に「四元素説」のことがでております。
引用いたしますね。
宇宙の物質は火、空気、水、土という4種類の根源物質から構成されるという理論。
ギリシアでは早くもソクラテス以前の自然哲学者たちが、神話的自然観から離脱し、世界とその諸現象を根源物質とその運動によって説明しようとする傾向を強く示していた。
タレス、アナクシメネス、ヘラクレイトスがそれぞれ水、空気、火を万物の根源物質であると主張していたことはよく知られている。
だが彼らの後を継いだエンペドクレスは、これらのいずれの物質にも他の物質に対する優先権を与えることができず、しかもその他に土を加えて、
これらの四つの物質がすべて根源物質であるとした。
プラトンは世界が物質的なものだけから構成されているとする思想に強く反対したが、物質界の根源物質については基本的にエンペドクレスの見解に従った。
元来、字母を意味したstoicheionという言葉を、これらの根源物質の呼称として用い、
元素(=ストイケイオン)という名称を自然哲学の重要概念のひとつとしたのもプラトンであった。
(略)
しかし四元素説に、その後二千年以上にわたって受け入れられ続けるような内容を与えたのは、プラトンの最大の弟子アリストテレスである。
彼は、世界を天上界と地上界という互いにまったく異質の原理の支配する二つの部分世界に区分し、不生不滅の天上界は不可変的なアイテールから成るのにたいし、
絶えず生成消滅を行う地上界は四元素から成ると主張した。
さらに彼は、これらの四元素は、熱/冷、乾/湿という二組の対立的な基本性質の組み合わせと密接に結びついており、
火は熱にして乾、空気は熱にして湿、水は冷にして湿、土は冷にして乾であり、
しかもこれらの基本性質を変化させれば、例えば水に熱を加えれば蒸気(空気)に変るように、元素は他の元素に転換すると主張した。
(略)
なお、古代インドにおいても、古代ギリシアとほぼ同じ時代頃にほぼ同様な四元素説が唱えられたが、両説間の文化的相互関係については確実なことはほとんどなにも知られていない。
この「岩波 哲学・思想事典」は、以前にも書きましたが、いい本だと思います。
買っておいて損はない辞典だと思います。
どうぞ、御参考に。