2011年7月27日(水)
真吾オジサンの雑感
「疢疾(ちんしつ)」について。
今回も、孟子から。
「疢疾(ちんしつ)」ということばを御存知でしたか?
「災患にある人」のことなのだそうですよ。
孟子曰、人之有徳慧術知者、恒存乎疢疾、獨孤臣蘖子、其操心也危、其慮患也深、故達。
孟子曰く、人の徳慧術知(とくけいじゅっち)ある者は、恒(つね)に疢疾(ちんしつ)に存す。
獨(ひと)り、孤臣蘖子(こしんげっし)のみ其の心を操(と)るや危(おそれつつし)み、
其の患(うれえ)を慮るや深し。
故に達(あら)わる。
孟子がいわれた。
「およそ徳行・技術・才智に秀れた人は、おおむね非常な災患の中にあって〔発奮して努力するので〕、その才能が磨かれたからである。
さればこそ、主君から遠ざけられた家臣や親に愛されない妾腹(しょうふく)の子などは、
〔つねに不遇の境遇にあるので〕心を引きしめて畏れ慎しみ、災患を深く心配して努力するので、
しぜんに智徳がすすみ、後には必ずその名が世に顕れるのである」
孤臣蘖子(こしんげっし)の「孤臣」は「君から疎外されている家臣。遠臣。」で「蘖子」は「庶子。妾腹の子」だそうです。
孟子ともなると、言うことが違いますね。