2011年8月21日(日)
真吾オジサンの雑感
大梵鐘製作請負契約のトラブルについて。 その1
最新号の「消費者法ニュース」に、この大梵鐘製作請負契約のトラブルの判例が出ておりました。
ある高齢者(原告)が、某社(被告)に対して、何を思うたのか、大梵鐘を作ってくれと電話で頼んできたのだそうです。
この梵鐘の大きさが並ではないのです。
何と外口径11尺0寸(約3333mm)!!
で、その某社はその高齢者の希望する大きさの大梵鐘なら、代金は3億円程度になると伝えたのです。
翌日に、大阪府茨木市のその高齢者の自宅を、某社の担当の方が図面等を持参して訪問をされました。
そのときに代金の支払い方法についての話になる訳です。
額が額ですからね。
翌日に2億円を前金として支払うことになり、完成納入時に残りの1億円を支払うことがそこで決まりました。
で、翌日に某社の担当の方が、注文書・請求書・代金の送金先に関する案内書等を用意して、その高齢者宅を訪問したところ、
その高齢者は銀行の支店長と担当者ととも在宅していて、送金の準備をしていました。
そして、某社の担当者から示された注文書に、署名し、認め印で押印したのです。
そもそも、梵鐘の注文者は大体は寺院な訳です。
で、商慣習上、契約書の作成まではしないことになっていたそうなのです。
見積書や、注文書を契約書の代わりにしていることが多かったというのです。
で、今回もその慣習に従おうと、某社も思われたようなのですが、
何しろ額が額なので、やはりここはキチンと契約書を作成しておこうということになったのです。
で、翌月に、その高齢者宅を訪問して、その高齢者に図表を示して作業工程を説明し、会話の内容を録音しておき、
その2日後に、また訪問して、その高齢者と一緒に市役所へ行き、印鑑証明を取得した上で、契約書を作成したのです。
その契約書には、
注文者である原告からの契約解除の申出があった場合、請負人である被告は、
その申出のあった日が契約締結から梵鐘鋳造までの間であるときは請負代金の出来高69%を、
梵鐘鋳造から完成までの間であるときは請負代金の出来高88%を、
製作代金として受け取り、解除に応じ、解除の申出のあった日が検収後であるときは、
原告は、被告に対し、残金全額を支払うことが約定されていたのです。
この某社に、2か月ちょとあとくらいになって、この大梵鐘製作を中止して貰いたいと、
この高齢者の法定代理人任意後見人からの書面が届きました。 ^^;
で、これはこの高齢者の意志とは思えなかったので、作業を中止することもなく、
某社の担当の方が、高齢者宅を訪問しました。
そこで、この高齢者の中止の意向を直接確認することになったのです。
そして、作業の中止となったのです。
この高齢者、混合型認知症だったというのです。
(明日の雑感に続く)