2013年3月20日
真吾オジサンの雑感
春塵や観世音寺の観世音 高野素十
今回も歳時記からの引用です。
春塵 しゅんじん(しゆんぢん)
【解説】
ローム層地帯の関東地方は冬、雨が少なく春先の二、三月は地面が乾ききっている。
そこに突風がおこると砂やほこりが舞い上がり風塵現象になり、ひだいときには砂あらしにもなる。
これが春塵である。
北国では雪解けのあと街路に残った一冬中のほこりを舞い上げる春塵もひどい。
こう書かれてあります。
春塵や観世音寺の観世音 素十
以前の雑感でも触れましたが、今回も一応ね。
仏教語でも「塵(じん)」ということを言うようですね。
「佛教語大辞典」からあれこれと引用してみましょうか。
【塵】 じん
@ 対象。境に同じ。
A 物質的な対象。
B けがれ。
C 煩悩。
D 汚点。欠陥。欠点。
E 刹塵の略。
【塵縁】 じんえん
色・声・香・味・触・法の六塵をいう。
心の所縁(対象)となり、心をけがすからである。
【塵芥】 じんかい
ちりあくた。捨ててかえりみないことにたとえていう。
【塵境】 じんきょう
心の対象となる、色・声・香・味・触・法の六境をいう。対象の世界。
【塵垢】 じんく
心をけがす塵・垢、すなわち煩悩をいう。
【塵沙】 じんじゃ
@ 塵と砂。数の多いことを表す。
A 塵沙惑のこと。
【塵沙惑】 じんじゃわく
塵沙のごとき数かぎりない現実の事象に対し、そのつど的確に判断し、
対処する能力のないことを、智は特に塵沙惑と名づけた。
これは現実教化の障害となるものであるから、化道障の惑ともいわれる。
(略)
【塵刹】 じんせつ
@ 無数の国土の意。あまたの国。刹は刹多羅の略。
A 微細な国土をいう。
B 俗世界。
【塵説】 じんせつ
草木国土の一微塵に至るまで、ことごとく常に無上の法を説く、という意。
【塵中格外】 じんちゅうかくげ
塵中は世間、格外は出世間の意。
世間的にいっても仏法の上からいっても。
【塵土】 じんど
@ 塵や土。
A 浄土に対する語。塵のような汚穢不浄な国土。また穢土ともいう。
【塵道】 じんどう
穢土をいう。
【塵道世界】 じんどうせかい
@ また毛道ともいう。華厳教学で十方虚空界の一つ一つの微塵の中にある世界をいう。
A 密教で、加持世界をいう。
【塵禿有情】 じんとくうじょう
心の荒れた、つまらない人間。
【塵埃】 じんない
人間の妄想・迷情を、塵や埃にたとえた語。
【塵妄】 じんもう
生死の境界。塵は不浄、妄は不真実をいう。
【塵網】 じんもう
色などの六塵が人を網にかけることをいう。
【塵欲】 じんよく
六塵に対する貪欲。
これらの他にも書かれてあるのですが、面倒くさいので省略させて頂きます。
春塵や観世音寺の観世音 素十
どうです?
この句が面白くも見えてきたでしょう?