2013年3月22日
真吾オジサンの雑感
ひとすじの柳絮の流れ町を行く 前田普羅
今回も歳時記からの引用です。
柳絮 りゅうじょ(りうじよ) 仲春
【解説】
春、柳が葉ののびない前に、暗紫色の花をつけ、実を結んで熟し、綿のような種子を飛ばす。
柳絮である。
風のない日も、静かに虚空に漂うさまは、春ののどかな趣である。
日本の柳は主として「柳」の方で「楊」ではないが、楊も柳も絮(わた)を飛ばし、
どちらも多い中国では楊柳の絮が盛んに飛んで、春の著しい景観を作り出す。
和歌ではほとんど注目されず、明応七年の『和漢法式』に季題として初めて掲げられた。
本当に作られ出したのは近代になってからである。
たぶん大陸の風物を経験したことが、きっかけとなっていよう。
「遼陽(れうやう) 旧城市柳絮とぶことしきりなり」虚子、
「哈爾賓(ハルビン)にて 中央寺院(サボール)の天にかかりて柳絮とぶ」蛇笏など。
[山本健吉]
こう書かれてあります。
ひとすじの柳絮の流れ町を行く 前田普羅
いい句でしょう?