2013年4月10日
真吾オジサンの雑感
春の日はまだまだ高し立ち寄りて讀みても行かむ壺の石ぶみ 落合直文
「石ぶみ」は広辞苑にはこう出ております。
【石文・碑】 いし‐ぶみ
事績を後世に伝えるため、文字を刻んで建てておく石。石碑。碑(ひ)。
こう書かれてあります。
文心雕竜という支那の昔の本があるのですが、
この中に「銘箴 第十一」というのがあるのですが、
ここに面白いことが書かれてありました。
ほんの少しだけここから引用させて頂きましょうね。
銘と箴
銘は古代、日用の器物に刻んで、その器の徳用を明らかにして
その名を正し、もって人の行いの戒めとしたものである。
それが秦以後、あるいは石碑に刻んで、人の功績をたたえるものになってきた。
箴は針で、病を治療する鍼に喩え、これもやはり自分や人を戒めて、
過ちを防ぐたよりとするためのものである。
(略)
ついでなので「壺」のことも「康熙字典」を使って調べてみました。
こんなことが書かれてありました。
[正韻] (略) 周制用壺、有方圜之異。
[儀禮燕禮] 卿大夫用方。直方爲義也。士旅食用圜。順命爲宜也。
春の日はまだまだ高し立ち寄りて讀みても行かむ壺の石ぶみ 落合直文
春は観光のシーズンでもありますので、こういうこともあることでしょうね。