2013年4月12日
真吾オジサンの雑感
貝寄や鷗群れ居る流れ船 高田蝶衣
季語は「貝寄(かいよせ)」です。
仲春の季語です。
これも歳時記から引用しましょうね。
貝寄風 かいよせ(かひよせ) 仲春
【解説】
陰暦二月二十二日に、大阪天王寺では精霊会(しょうりょうえ)が行われ、
お供えの造花は難波の浜に吹きよせられた貝殻で作った。
このような謂れから貝を岸べに寄せるこの頃の風を貝寄風と呼ぶようになったのである。
この語は各地にあり、風向きは西風の地方が多い。
つまり季節風のなごりの風でかなり強い。
松尾芭蕉の句にこういう句があります。
貝寄する風の手じなや若の浦 芭蕉
貝寄や鷗群れ居る流れ船 高田蝶衣
「流れ船」は広辞苑には、
【流れ船】
水流に従って流れくだる船。
こう書かれてあります。