2013年4月16日
真吾オジサンの雑感
囀やピアノの上の薄埃 島村元
季語は「囀(さえずり)」で、春の季語です。
この句は割と有名な句であったと思います。
歳時記の中にこの句を鑑賞したものが書かれてあります。
これを引用させて頂きましょうね。
囀やピアノの上の薄埃 島村元
【鑑賞】
島村元(1893‐1923)。外交官であった父の任地米国で生まれ、のち大阪に移り、
病いのために慶應義塾大学を中退。
二十歳の折、虚子門に入って句作。
その知的繊細な感覚は、虚子の嘱望するところ大であったが、三十歳で夭折した。
なるほど、この作品にもそうした特色が見える。
明るく、印象鮮明な句であるが、感覚は極度に繊く澄み切っている。
しかし、囀りという季語の効果により、鋭い感覚にやわらかなヴェールがかけられ、
豪華だが人気のない部屋の春のひとときを眼前する。
[飯田龍太]
この飯田龍太さんという方は、あの飯田蛇笏の息子さんなのです、ちなみにね。
囀やピアノの上の薄埃 島村元
この句は本当にいい句だと思いますので、
折角の機会ですので覚えておきましょうね。 ^^