2013年5月3日
真吾オジサンの雑感
山百合に雹を降らすは天狗かな 渡辺水巴
季語は「山百合」で初夏ですね。
もしくは「雹(ひょう)」で夏ですね。
こういう風に一句の中に季語が二つ以上あるものを季重なりと言います。
広辞苑から引用しておきましょうね。
【季重なり】 き・がさなり
俳諧で、1句のうちに季語が二つ以上含まれること。好ましくないこととされている。
こう書かれてあります。
このあたりのことがあって、この季重なりの句を見つけますと、
鬼の首でもとったかのように駄目出しをしたがる俳句の先生が多いのです。
こういう俳句の先生って、本当に多いんですよ。
でも、本当のことを言いますと、
大家とされるような俳人の句にこの季重なりの句って多いんですよ。
真吾オジサンの書くことを「そんなことは嘘だ!!」と思われた方は、
まあ、芭蕉の句集でも、蕪村の句集でも、一茶の句集でも、
虚子の句集でも、秋桜子の句集でもいいですから、
まあその句集に掲載されている句を全部ご覧下さいね。
そうされますと、どちらが本当のことを言っているのかはすぐに分かることですからね。 ^^
季重なりがイカンというのは、初心者を教えるためのものに過ぎないものなんですよ。
なので別に絶対視するようなものでもないのですよ。
山百合に雹を降らすは天狗かな 渡辺水巴
お尻の青い諸君は、天狗とか言い出すと、かかる荒唐無稽な云々とか言い出すのでしょうけれど、
まあこういうことを本気にするか否かは別にいたしまして、
こういうことにも許容性があるくらいの心の余裕は持てるようになって頂きたいですね。 ^^