2013年8月28日
真吾オジサンの雑感
佐藤慎一四段はponanzaの▲6五歩〜▲6六銀を軽視されたのではないか?
この雑感は、実は2013年7月24日に書いているものです。
さきほど時間がありましたので、
第2回将棋電王戦・第2局のponanza vs 佐藤慎一四段の棋譜を柿木将棋に入れておきました。
折角なので、この対局のことを思い出しながらこの棋譜をじっくりと見ました。
真吾オジサンなりにあれこれと思うことはあったのですが、
真吾オジサンの見たところ、佐藤慎一四段は
途中からはカウンターパンチ狙いのような感じだったと思います。
ただ、これは対局前からそういう作戦であったのだ…
というのではなかったと思われました。
多分、ponanzaの▲6五歩〜▲6六銀に多少意表をつかれたのではなかろうか?と思いました。
コンピュータ将棋って、‐ソフトにもよるのですが‐
あまりこういう位を取る将棋にはしないことが多いですよね。
激指ならたまにこういう位を取る指し方もしてくることもあるのですが、
でも真吾オジサンの経験では割とこういうことは少ないですけれどね。
仮にこの位を取る将棋にしてきましても、
どこか人間の場合とは異なる論理の指し方のように思いますね。
Ponanzaにこの位を取られて、
佐藤慎一四段としてはカウンターパンチ狙いにせざるを得なくなったのではないでしょうか?
しかし、当初からカウンターパンチ狙いを思われていたわけではなかったので、
△1四歩と受けなかった…
その局面では、自らまずは攻める展開も思われていて
そしてそれで勝つことももちろん頭の中にあった…
こうではなかったかなぁ…?
最初から「カウンターパンチを狙うような指しまわしでこの対局は勝つぞ!」
でしたら、多分、△1四歩とされたろうと思うのです。
玉が広いほうがいいですもんね、カウンターパンチ狙いならね。
カウンターパンチなら相手に動いてきてもらうことになるわけで、
ならば、歩が1三のままでいるよりも、1四に進めていたほうがいいに決まっておりますもんね。
どうせ待つのでしたらね。
では何故そうはされなかったのか?ということになると思いますが、
▲6五歩〜▲6六銀とはコンピュータ将棋はしないだろう…
どうもこんな感じではなかったのではないかな?
相手が人間の場合でしたら、こういう手も一応は読まれていたかもしれませんが、
相手がコンピュータ将棋だったので、さほど思われなかったのではないか…?
どうもこんな気がいたしました。
そう思っておりましたが、やはりそのようですね。
今、「将棋世界 6月号」のこの対局の記事を読み直してみたのですが、
「佐藤はツツカナと指した際、角を打ち込んで無理攻めしてきたりしたので、
盛り上がる筋はあまり考えてなく意表を衝かれたそうだ。」
こう書かれてありました。
ツツカナも位は取ってじっくりと相手の面倒を見るような棋風ではなかったのかもしれませんね。
コンピュータ将棋らしいといえばらしい、
ちょっと無理っぽくてもイケイケドンドンのような棋風だったのかもしれませんね。
そう思えば、船江恒平五段のときの△6六角もそういう手でしたよね。
この記事にツツカナ相手に数十局指して準備したと書かれてありましたが、
もしかしましたら、佐藤慎一四段は、
短い時間設定でも結構な数の対局をされておられたのかもしれませんね。
兎も角コンピュータ将棋と沢山指しておりますと、コンピュータ将棋の指し手の傾向を
体で覚えているようなところができてくるものですからね。
それが良かれ悪しかれ、そういう風にはなると思いますね。
そういう体で覚えたものとは、多分この▲6五歩〜▲6六銀は異なったでしょうからね。
真吾オジサンにはそう見えましたけれどね。