2014年08月07日
真吾オジサンの雑感
生者(いけるもの)つひにも死ぬるものにあれば今ある間(ほど)は楽しくをあらな 大伴旅人
「100分de名著 万葉集」を読んでおります。
ここに大伴旅人の「讃酒歌」というのがありました。
これがなかなかいいので紹介をさせてもらいましょう。
験(しるし)なき物を思(も)はずは一杯(ひとつき)の濁れる酒を飲むべくあるらし
今の代にし楽しくあらば来(こ)む生(よ)には虫に鳥にも吾はなりなむ
生者(いけるもの)つひにも死ぬるものにあれば今ある間(ほど)は楽しくをあらな
もだをりて賢(さか)しらするは酒飲みて酔泣(ゑひなき)するになほ若(し)かずけり
世の中は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり
還るべく時は成りけり京師(みやこ)にて誰(た)がたもとをかわが枕かむ
京師なる荒れたる家にひとり宿(ね)ば旅に益(まさ)りて苦しかるべし
吾妹子が見し鞆の浦のむろの木は常世(とこよ)にあれど見し人ぞなき
吾妹子が植ゑし梅の樹見るごとにこころむせつつ涙し流る
この大伴旅人、なかなかいいですよね。