2014年10月21日
真吾オジサンの雑感
黄楊(つげ)について。
将棋愛好家の方でしたら、将棋の駒は黄楊(つげ)を使っている駒が多いことはご存じですよね。
プラスチックの将棋の駒もいいのですが、やはり黄楊の駒のほうがしっくりとくるものですよね。
この黄楊なのですが、将棋の駒以外にも櫛にも使われています。
身にしむやなき妻のくしを閨(ねや)に踏(ふむ) 蕪村
この櫛も黄楊でしょうね。
万葉集には
香黒き髪に 真木綿もち あざさ結ひ垂れ 日本の 黄楊の小櫛を 抑へさす さすたへの子 それぞわが妻
こういう長歌があり、伊勢物語には、
芦の屋の灘のしほ焼いとまなみつげのをぐしもささで来にけり
という歌があり、蕪村はこの歌から
早乙女やつげのをぐしはささで来し 蕪村
という句をつくっております。
与謝野晶子は「みだれ髪」に
その子二十(はたち)櫛にながるゝ黒髪のおごりの春のうつくしきかな 与謝野晶子
こういう歌をこしらえております。
黄楊の小櫛はネットの情報によりますと、
<「つげ」を「告げ」の意にとって>占いの一種。
黄楊の櫛を持ち外に出て、道祖神を念じ、来る人の言葉によって吉凶を占う。
という面もあるそうです。
将棋の駒でもそれを外に持ち出て、道祖神を念じてみてもいいかもしれませんよね。(笑)