2014年10月23日
真吾オジサンの雑感
風俗文選の森川許六の百花譜について。
最近気が向いたときに「風俗文選(ふうぞくもんぜん)」の森川許六の百花譜を読むことがあります。
広辞苑には、
【風俗文選】ふうぞくもんぜん
俳文集。森川許六編。10巻9冊。「本朝文選」と題して1706年(宝永3)刊、翌年「風俗文選」と改題。
芭蕉以下蕉門俳人の俳文を集め、作者列伝を添える。
【森川許六】もりかわきょりく
江戸中期の俳人。蕉門十哲の一。彦根藩士。名は百仲。別号、五老井・菊阿仏など。画技にもすぐれた。
編著「韻塞(いんふたぎ)」「篇突(へんつき)」「本朝文選」など。(1656〜1715)
こう書かれてあります。
この風俗文選の中に森川許六の百花譜というのがあるのです。
さまざまな花を女性にたとえてありまして、これがなかなか面白いのですね。(笑)
櫻は全盛の傾城なり。天晴(あっぱれ)當風に打こみたる風俗、行末明日のたくはえの、一點もなき花なり。
梨花は、本妻の傍に侍る妾のごとし。よろづ物おもひにうちしずみ、常に人の下にたてるがごとし。
藤は、執心のふかき花なり。いかなるうらみをか下に持けむ、いとおぼつかなし。
萩はやさしき花也。さして手にとりて愛すべき姿は、すくなけれど、萩といへる名目にて、人の心を動かし侍る。
たとへば地下(ぢげ)の女の、よく歌よむときゝつたへる、なつかしさには似たり。
こんなことがあれこれと書かれてありまして、結構面白いのです。
この森川許六の百花譜は吟味しながら読みますと面白いように思いますね。